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スコープマネジメントとは

スコープとは「範囲」を意味する言葉であり、プロジェクトの内容の範囲を定義したものを指しています。プロジェクトマネジメントにおいて「スコープマネジメント」は、「プロジェクトを成功のうちに完了するために必要な全ての作業を含め、必要な作業のみを含めることを確実にするためのプロセスと活動」と定義されていますが、簡単にいうと目標を達成するために必要とされるタスクを漏れや重複なく洗い出す作業のことです。

このように、スコープを明確にすることはプロジェクトにおいて非常に重要な作業となります。どのようなスコープがあるのかを明確にすることによって、どのような作業が必要なのかがはっきりと決められるためです。そのため、プロジェクトを開始する前にスコープの洗い出しを行うとともに、関係者がしっかりと合意することが大切です。また、プロジェクトを開始した後にスコープがブレないようにしていくという点も重要となります。

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スコープマネジメントの方法

スコープマネジメントの方法としては、下記で紹介する6つのステップが用意されていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

スコープマネジメント計画を立てる

まずはプロジェクトのスコープ(範囲)を決めます。スコープの定義や検証、マネジメントを行うためのガイダンスの役割をまとめることによって、スコープマネジメント計画書を作成します。これと同時にマネジメント計画表が作成されますが、こちらには顧客のニーズの収集・整理方法について記載されることになります。

要求事項収集

一般的に「要件定義」と呼ばれるステップです。プロジェクトの関係者に直接ニーズを聞き取ることによって、細かいプロジェクトの内容を定義します。内容の定義を行ったら、さらに文書化を行います。加えて、プロジェクトの目標である最終成果物に対して適切な処理となっているかをこの段階で確認していきます。

スコープを定義する

プロジェクト憲章と要求事項の情報をもとにして、詳細なスコープ記述書を作成していきます。

この段階では、詳細な記述が必要となることからステークホルダーだけではなく開発の担当者との打ち合わせも行うことによって、要素成果物と作業を具体化していくことになります。

ここでは、「プロジェクトの前提条件」「成果物と要素成果物」「タスク内容と方法」について定義を行います。

WBS(Work Breakdown Structure)作成

プロジェクトを構成するための作業を分散し、構造化する手法をWBSと呼んでいます。PMBOKでは、WBSを達成するためにはどのような資源が必要か、またどれくらいの時間が必要なのかを見積もることになります。このWBSを利用することによって、スコープマネジメント契約書を明確に記載することができます。

スコープの妥当性の確認

成果物がプロジェクト・スコープ記述書やWBSに沿った形で作成されているかを確認していきます。

スコープコントロールを行う

プロジェクトの進捗状況を監視します。その中ではプロジェクトスコープ成果物スコープの作成状況を確認し、プロジェクトスコープ記述書、WBSの内容と照らし合わせ、乖離がないかを確認していきます。乖離があってスコープに変更が必要と考えられる場合には、変更管理プロセスに載せることになります。

スコープマネジメントのコツとは

プロジェクト管理を行うためには、顧客のニーズを理解した上で目標を達成するための作業を洗い出した上で詳細化することが必要となります。また、必要な予算や期間、品質などの情報をプロジェクト管理の中に落とし込んで、プロジェクトの作業範囲を管理します。その上でいま持っているデータを元に実行し、目標の達成を目指します。

ただ、プロジェクトを進める中では、計画のズレなどが生じる場合もありますが、その場合にはプロジェクトを進める範囲を調整します。このように、プロジェクトの中で随時確認や調整を行うことで範囲を変えていくことがスコープマネジメントの役割となっています。

プロジェクトを成功に導くスコープマネジメント

この記事では、PMBOKにおけるスコープマネジメントについてまとめてきました。スコープマネジメントは、プロジェクトにおける範囲を決め、プロジェクトにおいて「何をするのか」「何をしないのか」を明確にすることができます。

プロジェクトスコープを早い段階で定義することにより、関係者がプロジェクトの境目を明確に把握できる、予算及びリソース計画を適切に行うことができるといったメリットを得ることができます。また、さまざまなリスクを回避するのにも役立つなど、スコープマネジメントは重要な役割を果たしているといえるでしょう。

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