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「プロジェクト資源マネジメント」とは、プロジェクトを進行する上で必要になる資源を洗い出しから調達、管理を行うまでの一連の活動を指しています。「資源」とは「人的資源」と「物的資源」の2つに大別することができますが、プロジェクトマネジメントにおける資源というと、人的資源を指すことも多く人的資源マネジメントと呼ばれることもあります。
ではここで、資源マネジメントはどのように行っていくのかを見ていくことにしましょう。
まずは資源マネジメントの計画を行います。プロジェクトを成功に導くにはどのような資源が必要で、どう調達し、どう育成していくのか、といった点を定義します。ここでは、資源マネジメント計画書が作成されることになりますが、この書類には組織図や資源計画、役割担当計画、採用計画、研修計画といった内容が含まれます。
この段階では、プロジェクトで発生するタスクを洗い出すことによって、プロジェクトを進めるにあたって必要とされる資源を見積もります。人的資源を指す場合には、プロジェクトにはどれくらいの人員が必要なのか、また物的資源の場合にはどのような材料がどれくらい必要なのか、といった点を見積もることになります。
必要となる物的資源には、購入品はもちろん含まれますが、レンタルする資源も含めて考えていくことになります。例えば、ソフトウェアの検証のために使用する機器をレンタルする場合には、どのような機器をいつ、何台くらいレンタルするかを決定します。レンタル時期や数量などを間違えてレンタルすると、プロジェクトの進捗に影響が出てくる場合があるため、スケジュールをしっかりと確認しておくことが必要です。
プロジェクトに必要となる資源を実際に調達します。人的資源の場合には、必要な人員の確保やアサイン、役割決め、チーム編成を行うことになりますが、ここでのポイントはメンバーのスキルなどに合わせて適切なところに配置する、という点です。チーム編成が完了したら、体制図を作成します。この体制図にはそれぞれの役割や指揮系統を記載します。
プロジェクトのパフォーマンスを上げるために、チームの育成を行います。メンバーそれぞれのスキルアップを目指すのはもちろんですが、チーム全体の協調性につながるような育成も含めることによってパフォーマンスの向上を目指します。 例えば、資料や技術を共有する、勉強会を実施するなどを行っていきます。このステップを行うことによって、スケジュールの短縮や成果物の品質を高めるといった効果が期待できるでしょう。
チームは複数人から構成されていることから、どうしても意見の対立などが発生することがあります。この時、チームのうち2人の意見が衝突しているといった場合でも、チーム全体の問題として考えることが大切。その上で解決策を検討していきましょう。
調達した資源が適切に使用されているかどうかを管理します。例えば人的資源であればメンバーが適したところに配置されているかどうかなどを管理します。また、物的資源の場合は資源が予定していた通りに使用されているかなど、計画と実績に乖離が生じていないかを確認します。
また、物的資源の場合にはどれくらい消費したかを確認し、もし不足が起きている場合は追加で発注することを検討しましょう。
資源マネジメントは、プロジェクトが成功するかどうかを握っている大きな鍵といえる部分です。可能であれば、余裕を持って調整することでトラブルがないように対応すること、また何か変更があった場合にも、プロジェクト内での情報共有やトラブルを回避するための対応も迅速に行うといったことが求められます。
プロジェクトにおける資源マネジメントについて紹介してきました。特に人的資源においては、プロジェクトを成功に導くためにはどのような人員を配置し、チームを組織するかを検討し、チームのパフォーマンスを上げることが必要になります。
さらに、人的な資源マネジメントを行うには、人間関係のスキルも必要となってきます。対応する相手の立場になって考えることによって、マネジメントスキルの向上を目指すことも可能といえるのではないでしょうか。
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