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プロジェクトにおける「品質マネジメント」とは、プロジェクトに求められている要望を満足させるためのプロセスのことです。品質の方針や目標、責任を定めた上で、品質の計画や品質保証、品質管理、品質改善を行っていくことと定義されています。
品質マネジメントを行うことにより、品質の目標を満たすこと、さらに低品質となる原因を特定しやすくなるというメリットがあります。そこでこの記事では、品質マネジメントとはどのようなものなのか、管理を行う上でポイントとなる部分はどのようなところなのかといったことについてまとめています。
では、早速ですがPMBOKの品質マネジメントのプロセスについて見ていくことにしましょう。
品質マネジメントを行う上では、まずは品質マネジメントの計画策定が必要になってきます。ここでは、品質の定義を行い、品質確保のための方針や計画を作成することになります。
そのためにも、まずは顧客が品質に対してどのような要求を持っているかを確認することによって品質の基準を定めます。そしてその品質を実現するために必要な目標やスケジュールなどを策定していきます。ここでは、顧客が求めている品質をクリアしているかどうかを確認するためのチェックシートを用意しておくことがおすすめです。
品質保証は、品質の基準と運用の基準を満たすため、プロセスの品質改善活動を支援するステップです。ここでは、無駄のないプロセスの実行を実現することを目的としてパフォーマンスの測定結果を監査し、問題点を改善していきます。 このステップでは改善点を洗い出すことがポイントとなってきますが、そのためには「QC7つ道具」や品質監査を用いることによって、品質コントロールの測定結果を分析します。分析や監査の結果を受けてプロセスの改善点をまとめて変更の要求を行います。
ちなみに、QC7つ道具とは、親和図、PDPC法、相関図、ツリー・ダイアグラム、優先順位マトリックス、アロー・ダイアグラム法、マトリックス・ダイアグラムの7つ。品質改善を目的としたデータ分析の際に利用されます。
品質コントロールは、成果物が顧客から求められている品質を満たしているかどうかの判断・記録を行います。ここでもQC7つ道具などを活用することによって、品質を確認していきます。もし品質不良が見つかった場合には、成果物の品質の改善を行うことになります。
プロジェクト管理を行う上で、品質の向上はお客さまにに満足していただくという観点からも重要なポイントです。そのためには、まずは「QC(Quality Contro)」、「TQC(Total Quality Control)」の取り組み基準を意識しましょう。このことにより、取り組み基準が曖昧になってしまうという状況を避けることができるために具体的な行動を取りやすくなり、品質の向上が期待できます。また、前述した「QC7つ道具」を使用してデータを分析することで、品質を高められます。
加えて、適切な進捗管理を行うことも品質を高めるために必要な要素といえます。プロジェクトの品質を高めるためには、まずプロジェクトを完了させるということが前提としてありますが、しっかりと進捗管理を行うことによって決められた期限内にプロジェクトを終えることができます。反対に、品質が良いものができたとしても納品が間に合わないと意味がなくなってしまいます。
進捗管理を行う上では、まず企画の段階でタスクの洗い出しを行います。その上で作業時間・優先度を決めることでタスクを可視化すると、スムーズな作業につながります。また、進捗が遅れている場合にはどこが遅れているのかを確認し、その部分の改善によって遅れを取り戻すことも可能になるはずです。
プロジェクトにおける品質マネジメントについてまとめてきました。品質管理はお客様の求める品質を満たすために必要な活動となります。いくら納期通りにプロジェクトを完了させたとしても、品質が見合わなければ全く意味がないといえるでしょう。そのため、品質管理を徹底することにより、プロジェクトの質を向上させていきましょう。
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