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現場に必要な考え方

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MAツールの活用方法と
現場に必要な考え方

顧客体験を起点としたビジネス変革を支援する
アクセンチュア インタラクティブに聞く

Vol.2「MAツール最大化のために必要なこと」

前回はアクセンチュア株式会社 インタラクティブ本部のマネジング・ディレクター、加藤氏にコンテンツで人の心を動かす“真の顧客体験”を創出するために必要なことをお伺いしましたが、今回は同じくアクセンチュア インタラクティブの真野氏に、より現場に近い視点で、MAツールの選び方や導入前に押さえておくべき点など、MAツールの効果を最大化するために必要な考え方やアプローチについてお伺いしました。

アクセンチュア インタラクティブ/ シニア・マネジャー真野氏

2005年IMJ入社。WEBディレクター・PMとして大規模サイト制作に従事。

2010年からアクセス解析・最適化分野を担当しWEBサイトの改善・成果最大化で多数の実績を残す。2016年、IMJのアクセンチュアグループ入りを機にインタラクティブ本部に所属。近年はデータ活用・MA導入を主軸としたコンサルティング・開発を担当し、多くのプロジェクトを手掛けている。

MAツール選びの考え方

――前回は加藤さんに、顧客体験が今重視されている理由、またMAツール活用にはコンテンツ開発が必要不可欠であるというお話をお伺いしました。今回はより具体的に、現場視点で考えていくべきことをお伺いしたいと思っております。
真野さんは様々なクライアント企業へのMAツール導入をご支援されてきたとのことですが、MAツール選定について、どのようなアドバイスをされているか教えてください。

真野氏 ご相談をいただくのはマーケティング部門か情報システム部門が多いのですが、部門によってアプローチの仕方が異なります。
マーケティング部門の場合「マーケティング課題をどう解決するか」が軸になるので、まずカスタマージャーニーマップを作成します。その上でカスタマージャーニーを阻害する要因に対してデジタルのチャネルで解決できることを整理し、そのシナリオを実現するために適したツールに落とし込んでいきます。
MAツール活用によって可能になる施策を知ると、夢はどんどん広がりがちですが、全てを行うことは現実的には難しいため、できることから進めていくという形でアプローチしていますね。

―マーケティング部門の場合、ツール選びの前に、自分たちがどのようなチャネルでお客様と接点を持っているか、何が強いか、何が弱いかということを、まずしっかり把握することが重要だというところですね。では情報システム部門からの相談に対してはどのようにアプローチされるのでしょうか?

真野氏 情報システム部門からのご相談の多くは「データを活用してMAツールを使っていきたいが、どうすればいいか?」というものです。そのため、まずは利用可能なデータを見せていただき、MAツールでできることを具体化していくアプローチになります。
ただし、MAツール活用にはマーケティング・情報システム両部門の協力が不可欠です。そのため、お問い合わせ元がいずれの部門でも、山の登り方が違うだけで、最終的なゴールは一緒になり同じMAツールに辿り着きます。

――MAツール導入は大規模な企業でなければ難しいでしょうか。エンタープライズ製品以外にも、フォーマットが決められているライトなMAツールというのもありますよね。

真野氏 中規模以下の会社ですと、もちろんライトなMAツールを使うことも悪くないと思います。ただ事業の拡張に伴ってやりたいことができず行き詰まってしまうこともあると思います。

――ではツールを選ぶときには、3年後の目標にアジャストしたツール、または現時点での売上規模やユーザー規模にアジャストしたツール、どちらの方がいいでしょうか。

真野氏 前者ですね。中期目標に対して適したツールを選ぶ必要があります。予算やリソースの壁などは当然あるとは思うのですが、現時点に最適化したツールを場当たり的に導入しても、寿命が短く、効果の最大化には繋がりづらいです。

最優先確認事項は“データ”と“コンテンツ”

アクセンチュア インタラクティブ/ シニア・マネジャー真野壮司氏

――ツール選びについてはお伺いできたので、次に、MAツール導入において、押さえておきたいポイントを教えていただきたいと思います。真野さんが、いつもクライアント企業に対して「これを準備しておいてください」と言うようなものはありますか?

真野氏 必ずお願いしているのがデータとコンテンツについての確認ですね。
MAではお客様企業が持っている基幹システムやECなどのデータを使用するため、あらかじめ情報システム部門にセキュリティ上どの範囲まで使用して問題ないかを確認いただく必要があります。
次にコンテンツは、まさにクリエイティブの話です。例えば、「誰」がメールコンテンツを作るのかを明らかにしておくこと。
カスタマージャーニーができ、シナリオもでき、データの整理まで終わっても、肝心のクリエイティブを作る人がいないとMAは動きません。MA導入と並行して、クリエイティブの企画と進行について考える必要があります。
また導入前に、どんな人にどんなコンテンツを届けたいかを具体性を持って考えることも重要です。明確なビジョンがないと、MAツールを活用しきれずに終わってしまいます。

――前回加藤さんも、パーソナライズされた世界観を作る時に最も重要であるはずのコンテンツが少し置き去りになっている現状についてお話ししてくださいました。

真野氏 本当にその通りで、コンテンツを重視し対応できている企業は今はまだ少ないと思います。
MAで送ることができるメールのコンテンツは、いわゆるメルマガとは違って、個客の好みに合った商品をランキング形式で並べられるような、かなり自由度が高いものです。
つまり、MAツールを使えば一人ひとりに最適化されたコンテンツを配信することが可能なのですが、効果を高めるためには、大量かつ高品質のクリエイティブが必要ですよね。
そのため、制作ラインの方々にOne to Oneマーケティングにおけるクリエイティブの重要性を理解いただくことがとても大切です。
理解がないままだと、まったくパーソナライズ化されてないコンテンツが上がってくるということになりかねません。
社内に制作チームがいる、もしくはハウスベンダーを持っている企業は連携しつつ、「ここはパーソナライズしたいです」「ここのビジュアルを出し分けることでCTRを上げていこう」など意図を共有することが大事です。

――MAツールを導入して、実際に走り出すとうまくいかないということは、こういったコンテンツ面なども原因なのでしょうか。

真野氏 そうですね、MAに関する業務を6・7年やっている中で、「MAは総合格闘技だ」と私は確信しているのですが。

MAは総合格闘技!?その意味は

――総合格闘技ですか!?

真野氏 あらゆることをやらないとうまくいかない、という意味で「MAは総合格闘技だ」と後輩たちに必ず伝えています。
MA導入時に、MAベンダーが主体になるとコンテンツの話がおろそかになり、情報システム部門が主体になるとデータの話に終始してシナリオがおろそかになってしまうということがよくあります。
MAに携わるメンバーそれぞれが「自分の得意領域だけをやっていればいい」という発想では、一人ひとりに寄り添ったマーケティングは実現できないということです。
事業の全体像を把握していなければ、今走っている施策が何と繋がっているかが理解できず、適切なPDCAを回せないまま、「なんとなく数字を追うだけ」という状況になりかねません。
ただ、全体像を理解している人というのがそれほど多くないというのが難しいところなのですが。

――そう言われると、納得です。
要はマーケター、ディレクター、デザイナーなどが集まるだけではダメで、例えばディレクターがマーケティングを、デザイナーがデータを理解するなど職種を超えて知見を共有しないと、パーソナライズされたコンテンツを届けることはできないということですね。これはかなり本質的な問題だと思います。

真野氏 チーム間でコミュニケーションする時には、「こういう顧客体験を作りたい」「こういうシナリオを考えているから、この購買をした人にはこのコンテンツを出したい」「こういう購買をした人には別のコンテンツを出したい」など、“実現したい顧客体験”を共通言語として会話した方が、意志が統一できると思います。
実行にはデータ理解や「バナーが何枚必要」みたいな話は絶対に必要ですが、チーム全員でパーソナライズされた顧客体験の価値が共有できていれば、そういった専門性の壁は乗り越えられると思います。

――マーケティングやデータのノウハウというよりは、社内で共通言語をしっかり作ってコンテンツに落とし込む方がうまく回りやすいと。「30代男性」というよりは、むしろその人たちがどういう体験をしたいのかに落とし込んで、それをさらにクリエイティブに落とし込んだ方がいいということですね。

真野氏 おっしゃる通りです。
どんなコンテンツを、どういう形で届けるかというビジョンがないと、結局頓挫してしまうので、いかに具体性を持って、かつ、今は難しいけれど将来的に実現したい希望でも構わないので、ぜひビジョンを持っていただきたいと思います。

――今のお話にも繋がるのですが、MAツール導入後に、会社の中に定着させるために、心がけておくことはありますか?

真野氏 まず知っておいていただきたいのが、自分たちでシナリオをどんどん考えて作りPDCA回していけるような企業は、私が見てきた限りですと全体の4分の1から5分の1程度です。

――そんなに少ないのですか!

MAツール運用に適した人材とは

アクセンチュア インタラクティブ/ シニア・マネジャー真野壮司氏

真野氏 「とりあえず最初に入れたシナリオ3本で回しています」というような企業も少なくありません。
そうならないためには、まずMAツール専属の担当者を配置する必要があります。その上で、メール配信後1週間程で効果検証し、1、2ヶ月のスパンでPDCAを回し改善していく。例えば件名を見直したり、コンテンツに要素をもう少し足したり…。

――やはり専任の人がいないと、定着化は難しいでしょうか?

真野氏 難しいですね。普段の業務にMAの業務を上乗せすると、本業が忙しいからMAに手を付けられないというパターンはやはり多いですね。

――そもそも、専任の人を配置しなくても活用できると思っている企業が多いというのが一番の問題ですね。業務として重いという感覚が企業側に必要かなと。

真野氏 これまでメルマガだけをやってきた人からすると、データを分析し、顧客体験を考え、それを施策に落とし込んでからコンテンツ制作にとりかかるという業務をこなすには、新しい領域の開拓が必要です。
やるべきことを広く理解しつつ思考を深く持たなければならないため、業務的負荷は重くなりますよね。

――単なるメルマガの延長じゃないと、経営者が分かった上で人員配置する必要があると思うのですが、どんな方がMAの担当者に向いていると真野さんはお考えですか?

真野氏 理想を言うと、データが分かるマーケターなのですが、なかなかいないとすると定性的な表現になってしまいますが、新しいことが好きで、学んだり挑戦したりすることが苦じゃない人ですね。好奇心があって手を動かすことが好きな若手を指名して、ある程度「自由にやってみて」と任せると上手く進みやすいかもしれません。

――明確ですね。今回はMAツールの導入と運用における考え方を教えていただき、ありがとうございました。

インタビューVol.1は…

アクセンチュアインタラクティブ加藤様

MAツールの導入から活用に関して現場目線で答えてくださった真野氏。今すぐにでも実践できることも多く、MAツール運用に関して課題を抱えている企業すべてに、活用してほしい内容でした。

Vol.1ではアクセンチュア株式会社 インタラクティブ本部の加藤氏に、“真の顧客体験”を生み出すために必要な経営層の推進力と覚悟などを伺いました。未読の方はぜひご覧ください。

また、2回にわたるインタビューとMAツール使用者アンケート調査をあわせ、「MAツールで失敗しない運用方法」を以下のページでまとめています。

自社の課題解決のために、役立ててください。

MAツールで失敗しない運用方法のまとめ

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