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PMOとは、Project Management Officeの頭文字を取った略称で、日本語では「プロジェクト管理組織」などと訳されます。PMOは名前の通り、社内のプロジェクト管理を専門的に行う部署・部門を指し、具体的な役割としては「プロジェクトマネジメントの標準化」「プロジェクトマネジメントに関する人材開発」「プロジェクト環境の整備」などが挙げられます。
WBSとは、Work Breakdown Structureの頭文字を取った略称で、日本語では「作業分解構図」などと訳されます。プロジェクト全体をひとつ一つの作業に分解し、ツリー状の構成図で表すことで、作業の明確化やスケジュール管理に役立てる意図があります。WBSは、後述するガントチャートと併用することで、作業スケジュールと担当者を可視化できます。
ガントチャート(Gantt chart)はスケジュール管理方法の一つで、プロジェクト全体、部門、個人などそれぞれのタスクを縦軸と横軸の2軸で整理する方法です。一般的に、ガントチャートの横軸はスケジュール(開始日、期限日など)、縦軸は実績(進捗率など)を表します。ビジネスシーンでは100年以上前から運用されているほど、基本的なプロジェクトマネジメント方法です。
スコープ(Scope)とは、プロジェクトを効率的に管理するための要素で、プロジェクトに係る作業範囲を定義したものです。一般的にスコープは、「最終的に何を生み出すのか(成し遂げるのか)」を明確化するプロダクトスコープと、「その成果物を生み出すためにどのような作業をするのか」を明確化するプロジェクトスコープに分けて考えられます。これらのスコープを定義することで、プロジェクト関係者が同じ目標や認識を共有しながらプロジェクトに取り組めるようになります。
マイルストーン(Milestone)は元々「一里塚、道しるべ」を指す英語で、ビジネスシーンではプロジェクトを完遂するうえで重要なポイントを意味します。具体的には、リリース日やレビュー、工程完了時チェックなどがマイルストーンとしてあげられます。プロジェクトを立ち上げる際には、そのプロジェクトのゴールに向けてあらかじめマイルストーンを設定し、それらをガントチャートで管理することで進捗状況を効率的に把握できます。
OKRとは、Objectives and Key Resultsの頭文字を取った略称で、日本語では「目標と主要な結果」と訳されます。「目標(Objectives)」には「定性的で」「明確な期限があり」「60~70%の達成が予想されるチャレンジングな」ものを設定し、それに対して「主要な結果(Key Results)」には「定量的で」「客観的に評価できて」「こんなんだが不可能ではない」ものを設定します。このOKRという考え方はGoogleやFacebookなど世界的大企業も採用されており、近年注目されているプロジェクト管理方法です。
ステークホルダー(Stakeholder)とは一般的に「利害関係者」を意味する英語で、プロジェクトマネジメント現場ではクライアントを含む社内外の関係者を指して用いられます。ステークホルダー同士の関係は平等ではないことがほとんどなので、プロジェクトと各ステークホルダーの関係を把握して、優先度に応じて適切な対応を取ることが大切です。
PPMとは、Project Portfolio Managementの頭文字を取った略称で、日本語では単に「ポートフォリオ」と訳されることもあります。ポートフォリオとは元々、金融機関や資産家が用いる資産一覧表を意味でしたが、今では業界業種問わず様々な企業が活用しています。PPMでは、社内で同時進行している複数のプロジェクトを横断的に管理し、各プロジェクトの進捗状況や収益性を分析することで、様々なリスクを回避しつつ円滑にプロジェクトを進めることを目指します。
KGIとは、Key Goal Indicatorの頭文字を取った略称で、日本語では「重要目標評価指標」と訳されます。これはプロジェクト全体の目業や、プロジェクトに携わる各部門の目標、さらには各チームや各メンバーの目標を数字で表したものです。KGIを定量的かつ客観的な数字に落とし込むことで、後述するKPIを設定しやすくなります。
KPIとは、Key Performance Indicatorの頭文字を取った略称で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。前述したKGIをどのくらい達成しているのかという進捗状況を知るための指標がこのKPIで、KGIと同様に定量的かつ客観的な数字に落とし込んで設定します。プロジェクト全体のKGIと、それを達成するための部門別・チーム別・メンバー別のKGI、さらにそれぞれのKGIの達成率を把握するためのKPIが適切に設定することで、プロジェクト全体の状況を把握でき、各チーム・各メンバーの役割や目標を明確化できます。
EVMとは、Earned Value Managementの頭文字を取った略称で、予算・実績とスケジュールの観点から定量的にプロジェクトを管理・評価する方法です。具体的には、すでに完成している実績値のEV(Earned Value)、計画上の出来高であるPV(Planned Value)、実際にかかった実績値であるAC(Actual Cost)、完成時の総予算であるBAC(Budget At Completion)の計4つの指標をグラフで表すことで、当初の計画と比較した現在の作業進捗やコスト超過を資格的に把握します。
CCPMとは、Critical Chain Project Managementの頭文字を取った略称で、プロジェクト管理方法のひとつです。CCPMの大きな特徴は、プロジェクトの予算や期限をあえてギリギリに設定することによって円滑なプロジェクト進行を目指す点です。一般的に人間は、予算や期限に余裕があるとそれをギリギリで完了させようとする特性があります。その特性を逆手に取り、あえて予算を切り詰めて、期限を前倒しに設定することで、不足の事態に備えようとする手法がCCPMです。
CMMIとは、Capability Maturity Model Integrationの頭文字を取った略称で、組織のプロジェクト管理能力を5段階評価で表すものです。元々は、ソフトウェア開発組織を対象にプロジェクト管理能力を評価する基準として1980年にCMMという方法が発表されました。このCMMに、ソフトウェア開発から派生した人材開発、ソフトウェア調達、エンジニアリングなどの分野を統合したものがCMMIです。1から5までの5段階評価で、1が最低(プロジェクトマネジメントが属人的でありプロセスが定まっていない )、5が最高(継続的な改善活動を行い、改善を図ることができる)な状態を指します。
EPMとは、Enterprise Project Managementの頭文字を取った略称で、組織内で進行するプロジェクトをひとまとまりのものとして管理する手法を指します。例えば、人事部門では「新卒採用」「中途採用」「給与計算」「目標管理」といった業務を、経理部門では「決算」「旅費交通費の精算」「経費生産」「給与計算」「年末調整」といった業務をひとまとまりのプロジェクトとして捉え、タスクを細分化します。こうすることで、より効率的に業務を遂行できるようになります。
KSFとは、Key Success Factorの頭文字を取った略称で、日本語では「重要成功要因」と訳されます。これはプロジェクトの目標を達成するために必要不可欠な要素を表した経営指標で、CSF(Critical Success Factor)と呼ばれることもあります。会社や事業内容、マーケットの特徴によってKSFとなり得る要因は様々で、具体的には「企業規模」「技術力」「顧客対応のスピード」などがあげられます。プロジェクト目標や経営戦略を決めるうえでは、社内外の環境分析を通してKSFを明確化することが重要です。
PLとはProject Leaderの頭文字を取った略称で、日本語でも「プロジェクトリーダー」と言われることがほとんどです。PLは一般的に、後述するPMの下に複数名配置され、チーム内やプロジェクト内におけるサブリーダー的役割を果たします。具体的な業務は、チームメンバーの進捗管理や品質チェックなどが考えられます。
PMとはProject Managerの頭文字を取った略称で、日本語でもそのまま「プロジェクトマネージャー」と表されます。前述したPLが自身のチームのみを統括・管理する役割であるのに対して、PMはプロジェクト全体の成否に責任を持ちます。従って、組織頭上はPLの上に位置づけられ、プロジェクト全体の運営や進捗管理、成果物の品質管理、納期管理など全てにおいて責任を負います。
PMBOKとは、Project Management Body of Knowledgeの頭文字を取った略称で、日本語では「ピンボック」と表されます。これはアメリカのNPO団体であるPM学会によって1987年に策定・出版された知識体系で、初版から30年以上経った現在においてもなおプロジェクトマネジメントの国際基準として広く活用されています。PMBOKは「手順」と「手法」の観点からプロジェクトを管理することを提唱しており、現代社会に即して進化した最新版(第6版)は2017年9月に出版されています。
P2Mとは、Project&Program Managementの略称です。前述のPMBOKがアメリカ発祥の知識体系であるのに対して、P2MはPMBOKの仕組みに「プログラム管理」を新たに加えた日本発祥のプロジェクト管理手法です。ここでいう「プログラム管理」とは、複数のプロジェクトを管理する仕組みを意味しており、P2Mは複数のプロジェクトから構成される大規模なプロジェクトを運営するうえで特に役立つ手法といえます。
TOCとは、Theory of Constraintsの頭文字を取った略称で、日本語では「制約条件」と訳されます。これは、「いかなるシステムであっても、ごく少数の要因によってそのパフォーマンスは制限される」という仮定に基づいた経営改善手法で、プロジェクト全体(システム)の円滑な進行(パフォーマンス)を阻害している課題(制約条件)を整理し、それらをひとつ一つ解決することによってプロジェクトの完遂を目指す考え方です。
バッファ(Buffer)とは元々「緩衝材」を意味する英語で、ビジネスシーンにおいては「余裕・余力」という意味合いで用いられます。人材配置やタスクの対応期限に十分なバッファを設けていないと、「体調不良でスタッフが働けなくなった」「クライアントから納期を前倒しにしたいと要望がでた」などといった不測の事態に対応できません。あらゆるリスクを想定して、あらかじめ十分なバッファを設けたうえでプロジェクト全体のスケジュールやタスクを決めることが重要で、そのような考え方が上述したCCPMです。
ボトルネック(Bottleneck)とは元々「(ワインボトルなどの)ボトルの首の最も細い部分」を指す英語で、ビジネスシーンでは「(目標の達成を阻害している)要因」を指して用いられる言葉です。プロジェクト全体や個々の部署・チームにおいて、処理能力や容量が低下している部分(ボトルネック)が生じている場合は、そのボトルネックを解消することが円滑なプロジェクト進行につながります。具体的には、「大量のタスクを抱えているメンバーの業務を他のチームメンバーが分担する」「毎週膨大な業務時間を要している締め作業を、システム導入により効率化する」などがボトルネックの解消例として考えられます。
リソースヒストグラムとは、プロジェクトのコスト管理手法のひとつです。X軸に時間を、Y軸に人的リソースをそれぞれ定量的に表すことで、どの程度の人材リソースをどのようにプロジェクトへ導入すれば効率的にプロジェクトが進行するかを計画するのに役立てられます。X軸、Y軸の2軸でグラフとして表すことで、プロジェクトのどのタイミングでどのくらいの量の人材リソース(作業にかける時間、スタッフの人数など)が必要なのかを直感的に把握できます。
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